自営業の過酷な競争社会

ーー握り寿司を堪能

 

今日、北鎌倉駅の西口方面にある老舗寿司屋に行き、握りをご馳走してもらいました。

どうやら家族経営なようで、最初はお爺さんが注文を聞き、配膳はお婆ちゃんがしてくれました。

そしてしばらくすると外国人2人が店舗に入ってきたので、その通訳はお婆ちゃん1人が担当していました。

こう言っては失礼ですが、お婆ちゃんなのに英会話ができてすごいと思いました。

これもインバウンド政策の影響でしょうか。

とにかく北鎌倉はその観光資源の豊かさから多くの観光客や国内外からの訪日観光客で賑わいます。

そのため地元民はもちろんですが、そういった外国人のおもてなし配慮まで十分にしなくてはなりません。

私が住むここ北鎌倉では個人経営の店舗が軒並み立ち並び、コンビニやスーパーなどの店舗はおろか定食屋などのチェーン店すらありません。

まさに歴史の名残をとどめた由緒ある観光地・・とでも言いましょうか。

豊かな歴史的建造物や仏閣とともに過ごしてきた土地ですから、ネオン看板の光る場違いな社交飲食店やショッピングセンターなどは一切ないのです。

ですので、もし買い物を済ませるならRakutenなどの通販ショップか、北鎌倉の隣の駅である大船まで行って買い物するか、主にこの2択となります。

そして個人が経営する店舗はやはりホームページの開設はおろか、定休日まで書かれていないところが多いのでいつ経営しているか周到に確かめる必要があるんです。

少し話がそれましたね。では本題です。

その寿司屋では伝統のある絵画や習字などが貼られており、内外装も非常に和テイストな雰囲気を漂わせていました。

カウンター席とテーブル席(座敷)の2通りがあり、私は後者を選びました。

ゆっくりくつろげるのは良いのですが、同じ姿勢を長時間続けるため足が痺れてしまいましたね(笑)。

メニューのラインナップは種類こそ少ないものの、なかなかに豪華なラインナップが揃っていました。

注文を終えると早速前菜が運ばれ、私は味見をしました。

とにかく個人がこだわりを持って作った前菜のため、非常に独特な風味がしました。

そして主役の握り寿司。

私は1つ1つ丁寧に食し、最後の中トロを食べたところで完食しました。

最後は会計を済ませる・・のですが、ここでちょっとしたハプニングが発生。

この店舗はPayPayでの決済に対応していたのでなかなかに進んでいるなと思いましたが、その後のゴタゴタで「やはりか・・。」と思わずため息をついてしまった私です。

そう、電子決済タッチの画面がうまく認証されないという不具合が発生し、お婆ちゃんが奥にいる息子(?)を呼び出して機械の不具合を治すように促していました。

そこそこの時間はかかったものの、なんとか決済が通ったようで最後はお婆ちゃんとお爺ちゃん2人が笑顔で見送ってくれました。

味はしょーみ普通でしたが、接客やサービスに愛を感じたので全く不満はありません。

むしろ私たちが払ったお金がこの家族の収益源になっていると考えれば大役満の気分です。

 

ーー自営業の辛いところ

 

前にも述べましたが、ここ北鎌倉は地元民同士の距離感が近いため、必然的に助け合いの精神が根付いているのです。

いわゆる地元で消費して地元で利益に貢献する、これがすき家やガストなど大手のチェーン店であれば私たちが払ったお金はロイヤリティーという名の上納金に変えられて本部に持っていかれるだけなのです。

私の母親も自営業なので、やはり他人事とは思えなくなったんです。

金曜日の夜6.7時でも私と母親及び外国人2人だけという、非常に寂しい客の入りようです。

人件費こそ持たないものの、やはり食材を仕入れるときの費用や水道光熱費などもろもろの経費を合わせると思った以上の営業利益は出せていないんじゃないか、というのが本音です。

私の中学生の友達にお菓子屋(駄菓子)を営んでいる生徒がいましたが、その生徒の家族が経営する店はあまりに客が少なく、最終的に閉店バーゲンセールという名目で原価を割ってでも安い売値で店頭にズラーっとお菓子一群を並べていたのを思い出します。

親子経営だったので、なおさら辛かったでしょう・・。

自営業の辛さはまさにそこにあるのです。

会社員と違い1ヶ月分の固定給は保証されず、利益損を出しやすい。

また、季節の変わり目や外部の動向によっても自営業者は左右されやすいです。

地震やコロナなど想定外の事態が起こったときに今まで太客だった人も来なくなる、いわゆる顧客離れが発生し、コロナが流行った一時期は在宅が一般化したため顧客利益が入らなくなり、店を畳んだ自営業者も大変多いとか。

私が住む北鎌倉も例に漏れず。

多くの自営業者が顧客をつかめず、コロナの渦中で泣き寝入りしました。

今回の寿司屋もいつ潰れるかわかったものではありません。

私たちが払ったお金が寿司屋経営の立て直しに繋がるなら大変本望です。

いや、まるでその寿司屋が経営危機寸前であるかのように言ってしまってますが、あくまで仮定の話です。

とにかく今日は色々考えさせられる1日でした。

ここまで読んでくださり感謝申し上げます。