犯罪をなくすためには

業深き罪とはどういう犯罪類型を指すのでしょうか?

殺人罪や放火罪など人命に関わるような犯罪であれば、ほとんどの場合、しかるべき刑罰が課せられ、犯罪者の更生・改心を促します

しかし精神疾患などある病気が認められた場合、罪が軽くなるという話は聞いたことがあるでしょう

それでも殺人罪など重い犯罪の場合はたとえ責任能力がなかったとしても厳罰が求められ、長期にわたる服役生活を過ごす可能性があります

いまだに日本では犯罪者に対して寛容な国…というイメージが払拭できていません

信号無視や万引きなどの軽犯罪・条例違反の場合は罰金刑で済まされたり、警察官による口頭注意で犯罪にならないというケースもあります

ちなみに犯罪者に厳しい中国では信号無視をしただけで多額の科料が課せられたり、あるいは留置所で過ごす(つまり刑事事件と同じ扱い)可能性もあります

アメリカでは出所した後の犯罪者の動きを監視するため、出所した犯罪者の背中にGPSを埋め込むという事後対策も念入りにしており、かなり犯罪者に対して厳しい印象がありますね

これが日本ではどうでしょう

つい最近までは「少年法」という未成年専用の刑法も存在し、「未来(将来性)のある少年」という理由だけで減刑されたり罪が軽くなったりなど少年法の恩恵を受けることができました

この少年法を隠れ蓑にした重犯罪が後をたたず、もっぱら「1人殺しても自分たちは少年法で守られる」というスタンスのため社会復帰はほぼ確約されているのと一緒でした

しかし今は少年法は廃止され、未成年による犯罪にも厳しい措置をとるという方向に転換しました

それでも依然として少年に対する刑罰はまだまだ甘い傾向があります

自分たちは未成年だから許される、よほど罪を重ねなければ死刑になることはない・・という軽はずみな気持ちを持っているため、犯罪者の更生改心はおろか根本的な犯罪の減少にも結びつきません

事実、犯罪件数は昔と一貫して変わっておらず、規範意識やモラルのない環境で育ってきた子どもたちは人を傷つけることをいとわず、その傾向はずっと変わっていません

犯罪を起こす人の共通点としては、家庭環境が崩壊していた、親の愛情が皆無だった等が挙げられますが、少年犯罪もこの限りではなくほとんどがこれらに当てはまります

ちなみにいじめなども社会的な問題として取り上げられることが多いですが、いじめと犯罪を隔てる壁は大きく、あくまでも「いじめ」と「犯罪」は分けて考える傾向があるようです

私としてはいじめは犯罪と同列に扱うべきものだと思っておりいじめを受けた子が心的外傷や精神的ショックを抱え転校先で⚪︎殺してしまう・・という痛ましい事件も後をたちません

また、いじめの過程で加害者のいじめ行為がエスカレートしてしまい、そのまま殺してしまった・・というケースもあります

その場合は単独犯であることは少なく、大体の場合は集団心理が働いていじめ行為を良しとするモラル最悪の雰囲気が醸成されてしまい、そのままいじめ行為をやめることができず殺してしまう・・という場合がほとんどです

単独犯の場合はだいたい怨恨によるもので、他意はないでしょう

私はいじめも犯罪行為も同じように扱うべきだと思いますが、これで感情論に任せて「犯罪者を死刑にしろ!」と主張しても、根本的な犯罪の撲滅には結びつかないと思っています

死刑存置派の多くは犯罪者不要論を展開して犯罪が起きた理由や背景をまともに考えることもなく犯罪者の死刑を最優先させます

私は犯罪者を擁護するつもりも遺族の方の感情を逆撫でするつもりもありませんが、犯罪が起きる理由を1度でもまともに考えたことはあるのでしょうか?

何でもかんでも死刑にする・・という考え方は優生思想的なものを感じて一瞬恐怖を覚えます

感情に身を任せて声を大きくするのではなく、このような犯罪が2度と起きないようにするためにはどのような対策をすれば良いのか・・というのを真剣に考える必要があると思うのです

次回はそれについて詳しく書きますね