アフガン人 現地からの悲痛な叫び 日本人に届け

ーービザ取得の壁

 

私は目を覆いたくなりました。

文字だけでも伝わる生々しい拷問のシーンや凄惨な生活…。

現在、アフガニスタンでは武装勢力が互いにいがみ合っており、命の危険と常に隣り合わせという過酷な生活を強いられています。

街歩けば銃殺や拉致などの重大犯罪に巻き込まれ、警察という組織もまともに機能していないため、ほぼ無法地帯と化しています。

そして現地のアフガン人は内戦の渦中において過酷な生活を強いられていることを告白し、日本に退避して安全に暮らしたい・・という胸の内を語りました。

胸の内・・と表現を濁らせたのは、日本に退避して安全に暮らすという課題をクリアするのがアフガン人(というか外国人)にとって非常に厳しいものだったからです。

まず、日本に住むためにはビザを取得する必要があります。

ビザ取得のためには、あらゆる審査や法定をクリアして入国する必要があるんです。

それがたとえ現地で苦しい生活を強いられているアフガン人だったとしても、日本のビザを取得するまでの道のりは決してなだらかではありません。

仮にビザを取得できたとしても受け入れ国である日本の事後ケアが追いついておらず、就労や教育機会を与えられないというのが現状なのです。

アフガニスタンなど中東圏ではまともな教育も受けられないため、日本やアジア圏などと比べて成人男女の識字率は非常に低いです。

そのような状態でまともな仕事を探せるわけもなく、途方もない暮らしを強いられることになってしまいます。

 

ーー同じ人間ということを忘れるな

 

とはいえ、それでも命からがら日本に退避してきたアフガン人の入国を拒否することはできませんよね。

むしろ私は就労や教育とわず、命の危険に晒されているアフガン人全員を日本が一手に受け入れ、保護する必要があると思うのです。

それこそまさしく人道的支援そのもの、日本が果たすべき役割でしょう。

日本は外国人参政権技能実習生などの問題を見ても分かるとおり、外国人や異文化に対して不寛容な国です。

それは単一民族国家として、日本が長らく鎖国政策を敷いてきた名残がいまだにあるからでしょう。

海を隔てた島国・・というのも、その原因に一役買っているかもしれません。

宗教的な内戦や紛争中に身を置いていたアフガン人を受け入れるのは、日本という国そのものの治安までも乱してしまう・・というヘイトクライムまがいの意見すらも見受けられました。

私はこのような意見を非常に残念に思います。

日本人、私たちは日本という国に生まれたからこそ今日まで大きな内戦や紛争に巻き込まれることもなく生きてこられたのです。

アフガニスタン、この国に生まれた子供たちに罪はありません。

過酷なサバイバル生活や奴隷生活を強いられている子供たちに、少しでも日本が手を差し伸べる、人道的支援救助にあたる、現地へ補助金を支給する、法律や社会インフラを整える等、可能な限りの支援を尽くして未来ある子供たちを守り通すこと・・。

それが人間同士の支え合いです。

私は人間同士の争いほど醜いものはないと思っています。

「どーせ私はアフガニスタンの人じゃないし」と無関心を決め込んでしまうそこの貴方、そういうのが人種差別やヘイトクライムの温床になっているのですよ。

ちゃんと人間の辛さや苦しさ、痛みを自分ごととして認識し、当事者意識を持って助け合う、それが本当の「優しさ」です。

できることからでもいいんです。

募金や寄付でもいい、それで少しでも救われる命があるなら、現にあなたは1人2人の命を救ったということになるのですから。

無関心、無知は1番の罪です。

アフガニスタンでの惨状をしっかりと受け止め、ビザ取得のハードルを下げて現地からの難民を受け入れる、それが国としての務めであり、人間としての”優しさ”でもあります。

できることからでもいい、現地で苦しんでいるアフガン人の悲痛な叫びが多くの日本人に届くことを切に願うばかりです…。